

わたらせ渓谷鉄道「花輪(はなわ)駅」は群馬県みどり市東町の中心地の花輪地区にあります。 無人駅の駅周辺には昔の宿場町を思わせる常夜灯や日本庭園様式の池があります。 駅周辺の花輪地区は足尾銅山の銅街道宿場町として昔から多くの商店や住宅があり、たくさんの地元住民に利用されている駅です。 花輪地区はかつて、足尾銅山で産出された銅を江戸まで運ぶために開かれた街道「銅街道」の途中にあり、宿場町として栄えました。 今でも、銅でできた蔵「銅蔵」を持つ家がいくつもあります。 渡良瀬川から離れた高台を通る現在の国道122号線ができるまでの江戸・明治時代には多くの人々が行き来した記録が残っている宿場町です。 駅では「うさぎと亀」の唄発祥の地にちなみ、列車が接近、到着すると誰もが知っていいる童謡「もしもし亀よ亀さんよ・・」の曲が流れます。自然いっぱい、情緒あふれる無人駅からは想像できないくらいの大音量でとても良く聞こえます。初めて聞いた時はとてもびっくりしました。 列車の接近放送が流れるのは、わたらせ渓谷鉄道では同駅だけです。 駅構内には「うさぎと亀」の石像があります。 童謡の父と言われた石原和三郎は、ここ花輪地区の出身で、駅の近くにある旧花輪小学校の校長を務めたことがあるため、その記念として、校庭に「うさぎと亀」の歌詞が書かれた記念碑が建てられています。 花輪駅からすぐそばの踏切角に出生した家があり、案内看板が立っています。 渡良瀬川のほとりにあり、ゆっくり流れる川の景色を見ながら数多くの歌が生まれた様です。 草木湖周辺の観光開発で隣の「神戸」駅がみどり市東町の玄関口と呼ばれています。国道122号線からも外れた場所にある花輪駅ですが、昔ながらの風情、情緒あふれる街並みに溶け込む、大変趣きのある駅です。 渡良瀬の川の流れを眺めながら、ウサギとカメの音楽を聴きながら、大自然の中を走る列車に乗り、皆さまも銅山街道の宿場町「花輪」に出かけてみませんか。